[2004.01.14]
  著作権について話すこと


 ▼HP declares war on sharing culture(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/content/54/34804.html


 たぶんこれで,ヒューレット・パッカードの立場は一部の人にとってかなり悪いものになった。責任ある立場の人は,いま著作権について考えなしに話すと,命取りになる,よ。

quote:ヒューレット・パッカード社(HP)のカーリー・フィオリナCEOは国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショーの基調講演で,ファイル共有での音楽の交換が,経済およびこの国のモラルをむしばんでいると述べた。そしてHPがメディア産業に付き従い,デジタル権利管理(DRM)を推し進めるすべてのことをするだろうと続けた。フィオリナCEOはユニバーサル・ミュージックのインタースコープ・ミュージックのジラー・ラヴィンCEOを招き,彼は,ファイル共有は子どもをけがす,ぺてんであると発言した。

 いままでPC関連企業のトップで,ファイル共有をここまでけなしたのはフィオリナが初めてだと思う。それどころか,PC関連企業はおおむね口を閉ざしている。ソニーなどメディア企業とつながりのあるところは当然だが,ここまで激しく敵対の表明をし,攻撃する言葉を吐いたのにははっきり云って驚いた。話題作りとしては優秀だろうけど,果たしてその価値はあるだろうか。

 実際のところ,PC関連企業どころか普通の大人は,ファイル共有を支持することはないにしても,メディア関連企業の自己中心的な行動はどうかなと思っているだろう。それが普通だ。アップルのスティーブ・ジョブズCEOも,ファイル共有は違法だ,とはいうが,それ以上の侮蔑の言葉は述べずに,iTunes ミュージックストアは正面切ってファイル共有と戦う,と述べる。このあたりの賢さ,フィオリナは見習うべきではないだろうか。HPのPCにバンドルするiTunesも,著作権管理機能は激しく弱くしてあるんだよ? そしてこの基調講演にはおまけがある。ラヴィンCEOがファイル共有反対のアーティストとして50セントを紹介したのだが,50セントはほかのインタビューでファイル共有に肯定的な発言していた,そうで(The Registerの記事)。なかなか笑いどころ満載な基調講演だったようだ。


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